ウィーン･プラハ１０日間（１７）

４月２５日（日）（２）ベートーヴェンの遺跡巡り

さて、次はベートーヴェンの遺跡巡りである。それにはヌスドルフへ戻らなければならない。Ｓ−ＢＡＨＮに乗ろうとしたが、３０分に一本で待ち時間が長い。しからばとバスに変更して道路へ出て待つ。ほどなくでかいバスが来たが、お客は少ない。ちょっと市内のバスとはバスの車体のデザインが違うので大丈夫かどうか７２時間チケットを見せてＯＫを貰って安心する。後で調べたら市内通用チケットのほとんど限界に来ていたと言うことがわかった。

ヌスドルフで降りて、ガイドブックやウィーンに着いた時に貰った案内図やいろんな手持ちの地図と町の様子を見比べるが、縮尺や省略の具合がそれぞれ異なっているし、それから得られるイメージも現実となかなか一致しない。えーい、ともかくベートーヴェンの散歩道らしい方へ歩こう。

ン　ターラーラ　、ターラララ　ラ　、ターラーリーララ、ラーーー

なるほど、小川に沿って道がある。反対側は住宅地。道から家に至る斜面には思い思いにいろんな花が植えてあり美しい。ここにも大きなレンギョウのブッシュがあった。チューリップ、クリスマス・ローズ、ヒマラヤユキノシタ、、、赤い花、黄色い花、白い花、紫の花、青い花、、、。京都の哲学の道は土産店があったりしてちょっと商業的になりすぎ落ち着かない感じだが、ここはそれに比べるとしっとりとしていて散歩にはもってこいだ。

しばらくだらだらと登って行って、二又になっているところへ来た。「どっちへ行くのかな。」と考えていると、横からおばさんが「左よ。」と言う風に教えてくれた。行くと、ベートーヴェンの胸像が高い台に乗っているのが見つかった。「ハハン、これがベートーヴェン・ルーエかな。」

でも、何時もこう言う銅像や胸像を見ると、こんなところに一人で立たされていて、寂しかったり、寒かったり、暑かったりしないのかなと思うのだが、これは変な考えだろうか。

今度は「ハイリゲンシュタット遺書の家」だ。また、四つ角で地図と相談していると、今度はおじさんが「何かお助けしましょうか。」と言ってくれた。もごもごしていると「ああ、ちゃんとした地図をお持ちですね。」「はい、有難うございます。」てなことで何も教えてもらわなかった。失礼。

結局、遺書の家は飛ばして「ベートーヴェン夏の家」へ。これはバス道路に面した家。「１８０８年にベートーヴェンが住んでいたと書いてある。この辺りで気がついたが、ベートーヴェンゆかりのところには同じ旗（赤白）とＷのマークのついた印などがつけてあるらしい。

次は、坂を少し下って、ハイリゲンシュタットの公園のベートーヴェンの像。このそばで東洋人に会い挨拶を交わしそうな雰囲気だったので「今日は」と言ったら「ニンハオ」と返って来た。失敗。

その辺りからちょっと横丁に入るとベートーヴェンハウスがある。これはレストランになっているのでウィーン今回最後の夕食にもと思ったが、その時間までここにいるのも時間つぶしだし、また戻ってくるのも大変なので、次回に割愛した。しかし、ベートーヴェンと言う人はなんと沢山の家に住んだことがあるのか。こうして、観光名所を数多く作ったと言う功績はあるにしても、どう言うつもりだったのだろう。

ヌスドルフに出て市電Ｄでハイリゲンシュタットに戻る。もう一度カール・マルクス・ホーフを裏側からも見る。裏側には近代的な建物にとってつけたように中世まがいの婦人像などが装飾としてあしらわれているのも興味深い。１５時半。

はじめの方に書いた次の１行が読めた方はかなりなクラシック通、、、

ン　ターラーラ　、ターラララ　ラ　、ターラーリーララ、ラーーー

これは次のように読むのです。

｜ mi--fa- la | sol-fami re sol | do--re--mi--fami | re------

ネッ　わかるでしょ。これを口ずさみながら歩いたのです。誰がって？そりゃ、ベートーヴェンですよ。

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