ウィーン・プラハ１０日間（１３）

４月２３日（金）烏、スーパーマーケット、ウィーン少年合唱団

とんでもない物を並べたが、別に三題噺をはじめるわけではない。ただ単にそう言う内容になっただけである。

庭を烏らしい鳥が歩いていた。足を交互に動かしていばって歩くこともするし、２本揃えて気軽にひょいひょいと飛ぶこともする。烏らしいが着ている衣装がちょっと違う。ベストからズボン辺りが灰色で真っ黒ではない。カササギの類かもしれない。図鑑を見るとカササギの尾は長いが、この鳥のはそれほどでもない。ウィーンだからおしゃれな烏だったことにしておこう。

ホテル近くまで戻ったが、少し時間がある。先日来、ホテルの辺りにスーパーマーケットはないかと探してたが見つかっていない。今日は別の方を探検することにした。すると、それらしい袋を下げたおばさんが帰って行く。あの袋のマークの店を見つけよう。

あった、あった。あまり大きくはないが、スーパーマーケットには違いない。まず、水。1.5lの瓶を買う。他に面白い物はないかとうろうろ見ていると見つけた物がある。ホテルのビュフェ形式の朝食のヨーグルトのそばに西瓜の種と南瓜の種がおいてあるが、もう一つなんだかわからない小さな茶色いタネがある。それが売ってあったのだ。５００ｇで１７シリング(１７０円くらい)と言うやけに安い物だが面白いので買ってしまった。ＬＥＩＮＳＡＡＴと書いてあったので、ホテルに帰って辞書を引くと亜麻の種子だと言うことがわかった。亜麻の種子って亜麻仁油を採るくらいしか用途を知らないが、袋の説明を見るとサラダやパンにも入れるらしい。そう思って、ホテルなどで出るパンに注意していると、なるほど入っているのがある。この亜麻の種子についてインターネットで調べた結果は　nifty:FMELLOW/MES/8/1025　に報告した。なんて探検をしているうちに時間がたってしまった。あわててホテルに帰り身支度を整え、コンサートの行われる楽友協会へ出かけた。

クーポンを窓口に出すと封筒に入れた切符をくれた。見ると、真中の前から２列目の２席である。ＪＴＢに手配を頼んだので大分高価だが、そのおかげか近すぎるくらいのいい席だった。

ウィーン少年合唱団の切符	ホールの様子

ヴァイオリン３丁の小さなオーケストラとの共演で、ヨハン・シュトラウス特集である。美しい声で歯切れのよいリズムが刻まれる。背の高い子、低い子、幼そうな子、おとなしそうな子、何かやってくれそうな子、いたずらっこそうな子、顔色のちょっとよくない子、大きな口を開けて懸命に唄う子、あまり口をあけず大きな声が出ているのかなと心配になるような子、めったに楽譜を見ない子、何時も隣の楽譜を見ている子、赤い頬の子、えくぼのかわいい子、ちょっとうつむき加減の子、きょろきょろあたりを見回す子、、、それでも小さな子がソロやデュエットをする時には兄さん株らしいのが心配そうに見守っていた。オーケストラのヴァイオリンの２番目の人。マーロン・ブランドみたいな人だ。それにしても舞台の下から見上げているせいもあるかもしれないが、みんな大男だ。あ、違う。ヴァイオリンの３番は女性だった。

浮雲さん曰く「天使の声のようなのを期待していたけどそれほどでもない。がっかり。」曲がヨハンシュトラウスだったからかもしれない。

ロビーでＣＤを売っていた。３００シリングだから結構高い。ヨハンシュトラウス特集とモーツァルト、ヘンデルなどのと２種を売っていたが、圧倒的にヨハン・シュトラウスのが売れている。こっちは天邪鬼気味もあるし、また、シュトラウスは今聴いたのだから別のを聴きたい気持ちもあってモーツァルトほかのを買って帰った。アヴェ・ヴェルム・コルプスなどが入っている。家へ帰ってから聴くと浮雲さんが「こう言うのを聞きたかったの。」と言う。ＣＤの選択は成功だった。

帰りはケルントナー通からちょっと横に入ったところのトラットリア　アル・カミネットでパスタを食べ、地下鉄で帰った。ここの請求書にはシリングのほかにＤＭ、ＳＦＲ、ＬＩＲＥ、ＦＦＲ、＄、ＥＵＲＯの表示がある。どれでもＯＫなのだろう。ちなみにＥＵＲＯで２１丁度だった。ホテルに帰って、いつものとおりウィーン市街を眺める。今日は金曜日だからだろうか、目の前の工事現場は早仕舞いらしい。いつもは暗くなっても投光器をつけて仕事をしているのに、明るい空を背景にクレーンの梯子をトコトコ降りていく。今日一日ご苦労さんでした。

本日１４４０７歩、累計８１５５５歩。

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